
言葉を発しにくい子どもたちがコミュニケーションできるように考えられたのが、マカトン法サイン言語です。児童デイサービスYYでは、特に発語の少ないダウン症、知的障がいによる難聴、ろうの子どもたちに使用しています。
スタッフはミーティングのときに時間を取って、練習・習得しています。
マカトン法 ―MAKATON Vocabulary―
マカトン法は、手のサイン(または絵画シンボル)を言葉(音声言語)とともに用いる言語の指導方法。1972年にイギリスで創案され、1987年日本で第1回のワークショップが開催されました。ちなみにMAKATONとは、創案した3人の名前の頭文字を合わせたものです。
◆代替・拡大コミュニケーション
コミュニケーションというと、つい、言葉で考えてしまいます。でも、障がい特性、程度によっては、それ以外の方法、例えばサイン、図形シンボル、テクノロジーを使って、コミュニケーションを成立させようとする考え方が、ACC(代替・拡大コミュニケーション)です。
ACC手段の指導は、表出言語と理解言語の両方を発達させます。適切な時期にACC手段を導入することが、話し言葉の学習を促進させることもわかってきました。
マカトン法サイン言語は、こうしたACC手段のひとつです。
◆マカトン法サイン言語の特徴
- ・330の核語彙
- 機能的重要度や心理言語学的要因などを考慮して語彙が選定されており、9つのステージに分けられています
- ・サインについて
- 単純で学習しやすい(覚えやすい・使いやすい)〜自然なジェスチャー・微細運動を要するサインや複合サインが少ない
- ・音声言語とサイン言語を同時に提示
- 音声言語の学習を促進
- ・指導方法
- フォーマル場面、インフォーマル場面で行う
- ・参考文献
- 『MAKATON 資料II』(旭出学園教育研究所)
- 「マカトン法初級ワークショップ資料」(1999年7月)
- 『ことばのない子のことば指導』(学研)
◆課題
子どもたちは1日のうちに、多種の場所に移動して過ごします(家庭・学校・地域など)。それぞれの場所でACC手段の理解があることが、子どもたちのコミュニケーションを楽にしますが、まだまだ十分に普及していません。また、自発的なコミュニケーションとしてサイン言語を使うことが困難な子どもたちもいます。