ボーリング、楽しかったね 前篇・後編 (長文です)

フリーダイヤル

「ボーリング、たのしかったね」

☆前篇

4月から5年生になったO君、とても元気な自閉症の男の子です。ヘルパーさんとの余暇活動で、初めてのボウリングに出かけました。初めての場所でも安心できるように、いつものスケジュール、大好きなおやつ、いつものカバン、ボウリング場などのいろんな写真、ボウリングの手順書を持って行きました。

 名鉄バスの場所、乗り込み、バス乗車手順等、写真を確認しながら行動しましたが、落ち着いて行くことができました。バス停で降りてからは、写真をよく見るようになり、道順をひとつずつ確認しながら歩いているようでした。
 ボウリング場に着くと、写真と景観を見比べ、自ら声に出して「アソビックス」を確認しました。駐車場が暗いためか、そこを歩くのに躊躇が見られましたが、写真を見て、「ここを通っていくんだ」ということがわかると歩けました。

 エスカレーターの写真を見せて「のぼります」と伝えた後、実物を見つけると、勢いよく駆け上がったものの、エスカレーターを降りたところで、動きが止まってしまいました。
 初めての場所だったからでしょうね。

 手順スケジュールと写真を見せながら、受付表を一緒に記入し、受付を済ませると、待ち時間が約30分。時間が前後するため、タイマーは使わずに、10個の○印をヘルパーが時間を見て1つずつ減らしていく方法で、待つことと、待つ時間を伝えました。それから、ボウリング→おやつ、だったスケジュールを、おやつ→ボウリング、に変更することを伝え、おやつを食べながら待ちました。
 10分ほどでおやつが終了しましたが、他の人がボウリングしている姿を見ながら待てました。○印が少なくなると、「30分、あとすこしだね」とO君からコメントがありました。待つことがしっかり理解できているんだなぁと感じました。


かわいい

 ☆後編

受付でプレートの入ったかごを受け取ることや、靴を借りることも、写真を見て理解でき、O君が自分でできることも多くなりました。靴の履き替えも抵抗なく済ませ、ボールの重さはヘルパーが決め、「7」という数字を頼りに探してもらいました。O君が思っている以上に重かったようで、最初は「え?!」という表情が見られました。

 転がすことや、レーンに入らないことを伝えなきゃな…と思いつつ、ここまでとてもスムーズだったため、様子を見てみると、何も伝えなくても、投球ラインを守り、転がすO君。YYで疑似ボーリングの経験もあるので、ラインを守ることや転がすことは、よく理解できていたようです。場面が変わって初めての場所でもできるって、すごいですね!
 ただ、ボールは転がしてしまったら、見えなくなり、機械から出てくるまでに若干時間がかかるため、ボールを持ってこなくちゃ!と考えたのでしょうね。再度取りに行こうとするO君を止め、「ボール、待ちます」と機械を指さして伝えました。それを2回繰り返すと、3回目以降は、迷わず機械のところへ行き、ボールを待っていました。
 自分が転がしたボールをしっかり見届け、倒れそうなラインに乗ってるときは飛び跳ねてわくわくしたり、明らかに倒れなさそうな時は念力を送っているかのようなポーズをとるO君。倒れたらヘルパーと一緒に拍手をしました。
 終始笑顔で過ごし、ボウリング場を出る際には、ヘルパーを見ながら、「ボーリング、たのしかったね」と言ってくれました!! 

 初めて、ということだったため、ドキドキしながら支援がスタートしましたが、始まってみると、「スケジュールを理解する」、「スケジュールに沿って活動する」、「写真がわかる」、「手順を踏む」、「変更に応じる」、「待つ」、「ルールがわかる」、「ルールを守る」など、今までの経験でO君が培ってきた様々な力を驚きとともに見ることができました。今までの経験があってこそ、笑顔で楽しく過ごせた様に思います。今度は、ぜひご家族で出かけてみてほしいですね。
 ご家族で出かけると、今日は経験しなかった「交代順番」があるので、今日とはまた違うかもしれませんが、O君の余暇が広がっていったらと願っています。