伝える道具箱

子どもたちの伝えたい気持ちをはぐくみ、 表現する力を支えるために、 MOVEではさまざまなツールを作って活用しています。
コミュニケーションをうながす工夫が詰まった、伝える道具箱――

コミュニケーションツール

伝える手段として、絵カードを手渡したり、指さしをしてもらったり...「伝えることで得るものがある」ということがやりとりをする原動力です。相手に上手く伝わる・伝える手段を個々に合わせて考えています。伝える道具箱 008.jpg

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スケジュール

伝える道具箱 001.jpg伝える道具箱 002.jpg伝える道具箱 003.jpg伝える道具箱 011.jpg「いつ」「どこへ行って」「何をするか」をわかりやすい方法で知らせています。実物、写真、絵カード...対象児の発達段階、理解できる内容に合わせた方法で見通しが持てるようにしています。

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シンプルでわかりやすく

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同じ事をいつも言われなくても、子どもが見て分かり、自分自身で行うことができるような手だてを考えています。

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ワーク

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何をどれだけやって終わるのかをわかりやすく示し、自主的に取り組めるようにしています。ワークの内容は自立的にこなせる量と質を考えて設定しています。
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個人用スケジュール

IMG_0962.JPG目 個別課題を含めた、個々の活動内容を示しています。紙に書いた文字を見るだけの使い方から、終わったものから一つ一つ線で消したり、文字そのものを消していく使い方、わった活動の文字カードや絵カードを終わりBOXに落としていく使い方と、それぞれ様々な使い方をしています。その子によっては、そのカードを持って活動に移る、案内切符のような役目を果たしたり、楽しみな活動を指でとんとん叩いてこちらに伝える、コミュニケーションボードの役割をもっていたりします。
 子どもと指導員がお互いに伝えあって、よりわかりやすいものを作っていきたいと思っています。

マカトンサイン

マカトン.jpg言葉を発しにくい子どもたちがコミュニケーションできるように考えられたのが、マカトン法サイン言語です。児童デイサービスYYでは、特に発語の少ないダウン症、知的障がいによる難聴、ろうの子どもたちに使用しています。 スタッフはミーティングのときに時間を取って、練習・習得しています。 マカトン法の解説へ

時間の対応

時間対応.JPGスケジュールには、時間も示してありますが、アナログ時計と照らし合わせてみるとわかりやすいかな? もちろん、針時計もスケジュールボードの近くに用意してます。時間を意識することも積み重ねの中から。

カレンダー

カレンダー.JPG日にちの理解は毎日の積み重ねから。カレンダーによる表示から、「○月○日○曜日」の表示へ。そして音声による伝達。この3パターンの一致が、簡単なようで難しいものです。

スケジュールボード

スケジュールボード.jpg 今日の全体の活動を示します。集団活動は週単位で変わるので「今日は何するの?」という感じでボードをのぞく子も少なくありません。苦手なことも、終わりがあるから我慢してできること、スケジュールを意識することで身につけていきます。スケジュールは行動を限定するものではなく、伝える手段。お子さんの気持ちを引き出す手段としてとらえています。

送りの車とお友達のお知らせ板

送迎車のお知らせ.JPGお子さんを送る車は2〜3台に分かれますが、自分がどの車に乗るのか、誰と乗るのかを、わかりやすく伝えるものとして作りました。帰りの会で確認することによって、ずいぶんスムーズに乗り分けられるようになりました。今ではこの発表も、子どもたちがしてくれています。自ら手を挙げてはりきっています。

遊びの選択

遊びの選択.JPG 何をしたいのかを表現できたら、もっと楽しい! 何をすればいいのかわからないでいることも少なくありません。表現を援助するための支援ツールです。

手洗い

手洗い.jpg当たり前の生活習慣も、場所が変わるとできなくなることが結構あります。写真や絵で示せば、「気づき」や「行動」につながります。

写真付き指定席タオル掛け

taoru.JPGこれは、もともと指導員の困り顔から出された解決策。誰のタオルかわからない。タオルの名前を探しているうちに子どもは彼方へ…… あるいは服で拭いている。それでは…… と、子どもの写真を貼って示そうと考えたものです。
思いかけずヒット!! YYに来るとちゃんと自分の写真の下にかけます。自由席より指定席のほうが落ち着くんですね。今のところ「ここじゃないといや〜」というのはありません。何よりも、以前は「名前が書いてない」とパニックだった指導員が、大いに助けられています。

トイレの手順

トイレ.jpgあたりまえの生活行動の中には、結構面倒に感じたり、うっかり省いてしまうこともありますね。トイレでの手順を丁寧に示し、指導にも役立てています。

トイレのマナー

トイレマナー1.JPG トイレマナー2.JPG男児の場合、おしりを出さないで排泄することを、発達の段階を踏まえつつ指導していきます。

玩具の目印

玩具.JPGこの中にはどんな玩具が入っているか、写真などで示してあります。何で遊ぼうか、選択の手段にもなり、どこに片付けるかの手助けにもなります。

サポートブック

sBook1.jpg sBook2.jpg サポートブックは本人の世界を広げていくためのコミュニケーションの道しるべ。「支援のときに支援者に利用してもらう」携帯用の本です。障害があったり、生活するのに困っている本人の特徴などを、具体的に見やすくまとめたものです。具体的には、ブーム、好きなもの、嫌いなもの、コミュニケーションの取り方、クセ、特徴的な行動の様子、パニック時の対処法、生活面についてなどを記録しています。
  • コミュニケーションが上手くとれない人が、自分の情報を伝えるために
  • 初めて支援する前に、だいたいの情報を理解できるから支援者は安心
  • 支援者誰もが共通した支援を行うことができるから、本人も安心
  • 緊急時の対応もわかるから、ご両親も安心

活動スケジュールカード

IMG_3152.jpg 支援カード.JPG これらのカードは、活動の見通しをもってもらうためのツールです。手のひらサイズで携帯でき、個別に対応しやすいものになっています。外出先の進路から、行き先の外観、設置物などを写真で撮ります。あらかじめ下見に出かけることも、スタッフの大きな役割です。

個別支援計画

利用者一人ひとりの状況に合った支援を行うため、生活支援部 花音と児童デイサービスYYのそれぞれで、アセスメントに基づいた個別支援計画を立てています。
  1. 利用者本人を主役に
  2. 何ができないではなく、どのような支援があれば何ができるかを
  3. 利用者本人をはじめ、その家族と一緒に計画を作成
  4. モニタリングと評価をして、計画を再検討
アセスメントとは…… 利用者本人の想い(希望や夢)を確認し、影響を受けている環境・状況の背景を考慮しながら、潜在的な能力・可能性などの長所・強さ、抱えている課題・困難を把握し、分析・検討して支援計画を立てます。こうした、実際の支援を展開する前段階のプロセスをアセスメントと言います。 アセスメントは1回で終結するものでなく、支援を実施しながらモニタリングし、それをふまえて再びアセスメントして支援計画を立て直す、支援が集結するまで継続して行われるものです。